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DIALOG IN THE DARK [展覧会]

暗闇の中の、何もみえない展覧会。
それが『DIALOG IN THE DARK』(以下、DID)だ。
参加者は、白杖(はくじょう)を手に、アテンドの案内によって暗闇を体験して行く。

現在、自分の生活空間の中で、完全な暗闇を体験することはとても難しい。
電気を消しても、待機状態の電化製品の光、外からはいってくる街灯の光や月の光などなど……
この展覧会では、完全な闇が体験できる。
闇の中では、自分の感覚、杖、それに人の声だけが頼りだ。
普段、視覚に頼った生活をしている、という自覚はあるものの、それがどのくらいのものかはわからない。
実際に、このDIDに参加して、自分の視覚以外の感覚がどれだけ鈍くなっていたのかを実感する。
人によって違うかとは思うが、私の場合は、嗅覚と聴覚が普段よりかなり敏感になったよう感じた。
葉っぱや土のにおい、食べ物のにおいも、普段感じているより強く感じる。
また、人の声にしても、何を言っているかを聴くだけではなく、どの方向からどのくらい離れた場所から出ているのか、どういう表情で話しているのか(実際には見えないが)まで感じるのだ。

よく視覚障がいのある人たちは、聴覚が鋭いとか、他の感覚が発達している、という話は聞くが、それを実感しつつも、そうなるまでの努力や苦労も、多少なりとも体験できたのではないかと思う。
この展覧会のアテンドは、視覚障がいのある人たちが行っている。
彼らにとって当たり前なのかもしれないが、暗闇の中でもスイスイ移動し、参加者のことを気遣い、また、この体験によって参加者自身の多くのことを感じることができるよう、アテンドしてくれるのだ。

半年くらい前、知人に教えてもらってから、ずっと気になっていたのだが、1回のセッションで定員8人というこの展覧会は、とても人気で、なかなか予定があわず行けないでいた。
予定があわないこともあった上に、公式サイトなどを見ていて、これは一人で参加したほうがよさそうだ、と自分のなかで勝手に決めてしまったため、参加することに、少なからず抵抗もあった。
暗闇の中では、さまざまな感覚が、光が見えている状態とは変わってくる。
私にとっての一番の違いは、人との距離だったかもしれない。
見知らぬ人同士、声をかけあい、助け合うことが、暗闇の中では必要になる。
頭でわかっていても、なかなかできないことを、すっと自然にできるようになってくることを体験できたことが一番大きかったかもしれない。

このDIDは、現在常設でやっていて、シーズンごとに内容も変化しているそうなので、できたらまた行ってみようかと思う。

『DIALOG IN THE DARK』公式サイト
http://www.dialoginthedark.com/
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